フィメール・ボーカル

2018年06月04日 07:12



サンスイで長年アンプ設計に携わっていた平野紘一氏が、日本オーディオ史をWEBに連載されている。

その第58回に「フィメール・ボーカルCDを製作・販売する」という記事がある。
 
『東芝EMIの名ミクサー、行方洋一さん(4chステレオ開発時に知り合いになった)は、東芝EMI所属の渚ゆう子、奥村チヨ、オーヤン・フィフィ、由紀さおり等の、演歌でないポップス歌謡のレコーディングについては、ほとんど担当していた。
行方さんは、何とか、ピュア・オーディオジャンルにおいて、クラシック、それに続くジャズ音源だけでなく、ポップスジャンルでもピュアオーディオファンに聴いて貰いたいと思っていたと思う。

行方さんは、はじめ、オーディオ各社に非売品でオーディオチェックレコードを製作して配った。内容は、SL,花火大会,邦楽,コーラス,ピアノ(現代音楽),オーケストラ,ソウルでDレンジが広く、凄いサウンドが聴けた。

オーディオメーカーから大評判を呼び、是非、販売すべきとの声が上がった。そのような声に応えて、東芝EMIは、行方さんがネーミングした“プロユースレコード”と銘打って、これをオーディオファン向けに販売した。このレコードは評判を呼び、想定した売上をはるかに超えた。』

これはLPだが、その後ご自身の手でCD化されている。

『A面・B面分のマスターテープを76cmスピードで聴かされた。マスターテープの音質品位は素晴らしく、これならうまくいくと思った。岡崎さんから、“CD化にしますが、どうしますか?”と言われて、私は、“そのまま、何も通さずCD化して欲しい!”と言ったら、少し驚いたようだった。』

記事は5年前だが、話の中味は20年程前の事なので、ダメ元でHMVを覗いて見ると中古が1点あった。

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錚々たるメンバーがラインナップされているが、最初のスサーナの「アドロ」以外は曲に馴染みがない。
音(声)そのものものが特段に優れていると感じなかったのは、その所為なのだろうか?

変に弄った所のない素直な録音で、名LP→名CDになっても良い筈なのだが。


“そのまま、何も通さずCD化して欲しい!”
に引っかかる。

音が良いと評判をとったLPは、特定箇所だけレベルを上がる等、カッティング時にエンジニアが何かしている事がある。
それはカッティングエンジニアの名人技に依るもので、マスターテープには残らない。

モラヴェッツがボールドウィンSD10で弾いたコニサーソサエティの録音は凄かったが、同じソースがCD化された時にはその輝きは失われていた。

マスターテープに頼らず、LPから復刻する板起こしにも通ずる処かもしれない。




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